Verilog-AMS(Verilog Analog/Mixed-Signal)は、アナログ(Verilog-A)とデジタル(Verilog)を統合した HDL で、アナログ・ミックスドシグナル(AMS)回路の動作を一つのモデルで表現できる言語です。
SoC の中でアナログとデジタルが密接に連携する現代では、Verilog-AMS は AMS 検証の中心的な技術になっています。
1. Verilog-AMS とは何か
Verilog-AMS は、以下の2つを統合した言語:
- Verilog(デジタル)
→ イベント駆動、RTL 記述、always ブロック - Verilog-A(アナログ)
→ 連続時間、微分方程式、ノイズ、アナログ振る舞いモデル
これにより、アナログとデジタルが混在する回路を一つのモデルで表現できる。
2. Verilog-AMS が使われる場面
● ADC / DAC の統合モデル
- デジタル制御
- アナログサンプリング
- 量子化
- ノイズ
これらを一つのモデルで表現できる。
● PLL(Phase-Locked Loop)
- デジタル制御ロジック
- アナログ VCO
- ループフィルタ
- 位相比較器
→ AMS 検証に最適。
● SoC の AMS ブロック検証
- PMIC
- センサ I/F
- アナログフロントエンド
- 高速 SerDes の一部
● ファームウェアとの協調検証
RTL 完成前に FW を動かすための抽象モデルとして使われる。
3. Verilog-AMS の基本構造
Verilog-AMS は デジタルとアナログの両方を記述できる。
● デジタル部分(Verilog)
always @(posedge clk)
out <= in1 & in2;● アナログ部分(Verilog-A)
analog begin
V(out) <+ gain * (V(inp) - V(inn));
end● 両者の連携(クロスイベント)
analog begin
@(cross(V(inp) - 0.5, +1)) flag = 1;
end→ アナログのイベントでデジタル信号を更新できる。
4. Verilog-AMS の強み
● アナログとデジタルを同時に扱える
→ ADC、PLL、センサなどの複合回路に最適。
● シミュレーションが高速
→ SPICE では遅すぎる大規模 AMS 回路を高速に検証できる。
● モデルの抽象度を自由に変えられる
- ビット精度
- 連続時間
- TLM 風の抽象化
など、用途に応じて調整可能。
● IP のブラックボックス化に使える
内部回路を隠しつつ、動作だけ提供できる。
5. Verilog-A との違い
| 項目 | Verilog-A | Verilog-AMS |
|---|---|---|
| 対象 | アナログのみ | アナログ+デジタル |
| ブロック | analog | analog + always |
| 用途 | モデル | AMS検証、結合モデル |
| シミュレーション | 連続時間 | 連続+イベント駆動 |
6. まとめ
Verilog-AMS は、アナログ(Verilog-A)+ デジタル(Verilog)を統合した強力な言語で、AMS 検証の中心的存在。
ソース
Download Verilog-AMS (Analog/Mixed-Signal) - Accellera Systems Initiative

コメント