VHDL

RTL設計

VHDLは、強い型システムと厳密な文法を特徴とするハードウェア記述言語(HDL)で、FPGA・ASIC のデジタル回路設計に広く使われています。

Verilog が“書きやすさ”を重視するのに対し、VHDL は“堅牢性・厳密性”を重視した言語です。

1. VHDL とは何か

VHDL は、1980年代に米国国防総省(DoD)が主導して開発した HDL で、IEEE 1076 として標準化されています。

● 特徴

  • 強力な型システム(integer, std_logic, array, record など)
  • 文法が厳密で、バグが入りにくい
  • FPGA ベンダー(特に欧州圏)で人気

2. VHDL が使われる場面

● FPGA 開発

特に欧州企業や防衛・産業機器では VHDL が主流。

● 安全性が求められる分野

  • 航空宇宙
  • 自動車
  • 医療機器
  • 産業制御
    → 型の厳密さが品質に直結する。

3. VHDL の基本構造

● Entity(外部インターフェース)

entity adder is port(
  a, b : in std_logic_vector(7 downto 0);
  sum : out std_logic_vector(7 downto 0)
);
end entity;

● Architecture(内部動作)

architecture rtl of adder is begin
  sum <= a + b;
end architecture;

● Signal(内部配線)

signal temp : std_logic;

● Process(逐次処理)

process(clk) begin
  if rising_edge(clk) then
    q <= d;
  end if;
end process;

4. VHDL の強み

● 型が強い → バグが入りにくい

std_logic / std_logic_vector の厳密さは Verilog より堅牢。

● 合成結果が安定しやすい

文法が厳密なため、意図しない回路が生成されにくい。

5. Verilog との違い

項目VHDLVerlog
文法厳密ゆるい
記述量多い少ない
主な用途FPGA、産業機器ASIC、SoC

6. VHDL を使うときの注意点

● 文法が厳密で、初心者はつまずきやすい

→ しかし慣れると品質が安定する。

● 記述量が多い

→ package や record を使うと改善。

● ベンダー依存の拡張がある

→ 特に FPGA では注意。

7. VHDL を学ぶメリット

  • 型が強く、堅牢な設計ができる
  • 産業機器・防衛・航空宇宙などで需要が高い
  • Verilog も理解しやすくなる(概念が共通)

8. まとめ

VHDL は、堅牢性・厳密性を重視した HDL で、特に FPGA や安全性が求められる分野で強みを発揮します。VHDL は、Verilog と並ぶ“もう一つの強力な HDL”として、今も現場で確実に使われ続けている。

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