UVM

RTL検証

UVM(Universal Verification Methodology)は、SystemVerilog のクラスベース機能を使って構築された 世界標準の検証フレームワークです。SoC の規模が巨大化し、RTL の複雑さが増す中で、従来のテストベンチでは品質も効率も限界に達しました。その課題を解決するために生まれたのが UVM です。

1. UVM とは何か

UVM は、SystemVerilog の class 機能を使って構築された再利用性・拡張性・自動化を重視した検証フレームワーク

● UVM の特徴

  • SystemVerilog class ベース
  • ランダム検証(Constraint Random)
  • カバレッジドリブン検証(CDV)
  • 再利用性の高いコンポーネント構造
  • 大規模 SoC の検証に最適化
  • 世界中の ASIC/FPGA 企業で標準採用

2. なぜ UVM が必要なのか

● RTL が複雑すぎる時代になった

  • AXI
  • PCIe
  • DDR
  • USB
  • 多コア SoC
    → 手書きテストでは網羅できない。

● ランダム検証が必須

人間が思いつかない入力を自動生成し、バグを“偶然”発見できる。

● 再利用性が高い

  • IP レベル
  • サブシステム
  • SoC
    と階層的に検証環境を再利用できる。

● 世界中で標準化

UVM を知っていれば、どの企業でも通用する。

3. UVM の基本構造

UVM は以下のコンポーネントで構成される。

Test
 |- Environment (env)
      |- Agent
      |    |- Sequencer
      |    |- Driver
      |    |- Monitor
      |- Scoreboard

● Test

検証全体の設定を行うトップレベル。

● Environment(env)

複数の Agent や Scoreboard をまとめる。

● Agent

1つのインターフェース(例:AXI)を扱う単位。

Agent の中身

  • Sequencer:トランザクション生成
  • Driver:DUT に信号を与える
  • Monitor:DUT の出力を観測

● Scoreboard

期待値と DUT の結果を比較する。

4. UVM のキーテクノロジー

● トランザクション(sequence item)

信号レベルではなく「操作」を扱う。

class axi_item extends uvm_sequence_item;
  rand bit [31:0] addr;
  rand bit [31:0] data;
endclass

● ランダム生成(randomize)

item.randomize() with { addr < 1024; };

● カバレッジ(coverage)

covergroup cg;
  coverpoint addr;
endgroup

● Factory(オブジェクト生成の仕組み)

テストごとにクラスを差し替えられる。

● Phase(実行フェーズ)

build → connect → run → report の流れで動く。

5. UVM の強み

● 大規模検証に耐える構造

階層化・再利用性が高い。

● ランダム検証でバグを自動発見

人間が想定しないケースを網羅。

● カバレッジで検証の“抜け”を可視化

品質を定量的に管理できる。

● 世界標準

どの企業でも通用するスキル。

6. UVM を学ぶメリット

  • 世界標準の検証スキルが身につく
  • SoC の複雑な IP を扱える
  • ランダム検証・カバレッジの理解が深まる
  • 検証エンジニアとしての市場価値が高い
  • RTL 設計者でも“検証の視点”が身につく

7. まとめ

UVM は、SystemVerilog を使った世界標準の検証フレームワークであり、大規模 SoC の品質を支える重要技術。

コメント

タイトルとURLをコピーしました